人生８０年は大きな節目である。思い立ってかねてからの念願である高野山の金剛峯寺を訪ねた。
２０１３年１０月、名古屋から紀勢本線で紀伊半島を下り、４時間で紀伊勝浦に到着。ここから徒歩で熊野古道に入る。山道を歩くうち大きななべ底のような盆地に行き着く。はるか上空の頂から那智大滝が降りかかる。早速妻と
記念撮影だ。古道を上る。やがて世界遺産蒼然たる那智青岸渡寺と朱色に輝く那智大社に到る。 神仏習合、これこそ日本の本当の姿だ。（時評「日本は神仏習合の国」で論ずる。）境内の眼下にははるかに那智大滝を望む絶景が広がる。
２日目はまず世界遺産・熊野本宮大社へ。午後には弘法大師・空海が眠る高野山奥の院を訪ねる。参道入口から御廟まで２キロの参道は高く空を覆う樹齢数百年の杉の並木に囲まれ、２０万基といわれる墓碑が立ち並ぶ。織田信長や戦没者の碑などあらゆるジャンルの人々の碑銘がある。宿坊・福智院に泊まる。大風呂の温泉を楽しみ、精進料理の夕食を食す。生き物の食材は一切使わないが、品数は多く、豪華なお膳だ。朝６時、本堂で説教を聴く。
いよいよ真言宗総本山金剛峯寺へ。 金剛峯寺は檜の皮で屋根を張った古めかしい寺院だ。根本大塔、金堂など数多くの寺院を巡る。
金剛峯寺の屋根は檜の皮なので燃えやすい。このためいつでも屋根にのぼれるように常に梯子がかけてある。さらに屋根のてっぺんには水槽がいくつも備わっている。